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社長がわからない、IT部門スタッフの採用のポイント
~クラウドが採用に及ぼす影響~

公認会計士神崎時男事務所 代表 神崎時男

第1回ITに関連する様々な分野の存在

はじめに

ITは、特に専門性が高く、実際に業務を担当したことがない経営層にとっては、どのような人材を採用したらよいのか、判断に迷うことが多くあると思います。「IT系」であればその関連分野の業務をすべて遂行できるとの誤解も多く、比較的人件費の高いこの分野の人材採用を失敗してしまうケースが見受けられます。全4回に渡ってIT部門スタッフの採用のポイントを解説し、合わせてクラウドが採用に及ぼす影響についても解説いたします。

まず、第1回目の今回は、前提として「IT系」の関連業務として様々な分野があることを解説します。分類の方法はいろいろありますが、一般的には大きくは3つの分野があり、さらにその中に様々な業務が存在します。

システムの開発、保守業務

企業の財務データを生成するための基幹系システム(販売、購買、生産、固定資産、人事給与、会計等の各システム)を中心に、社内で利用するシステムを開発、保守をする業務です。たとえば次のような業務があります。

  • 将来の経営方針に合致したシステム戦略の立案(計画)
  • 現状のシステムの状況把握(現状把握)
  • ユーザのニーズを反映した要件定義書の作成(要件定義)
  • 要件に応じたシステムの仕様の設計(設計)
  • 仕様に応じたプログラミングと、その結果のテスト(テスト)

そして、これらの業務は、社内のシステムエンジニア(以下、SE)が行う場合のみならず、外部のSEやシステムコンサルタントが、その一部ないし全部に関わることもあります。
さらには開発業務として、工場のファクトリーオートメーションマシンの内部制御システム等、いわゆる組み込み系のプログラムの開発を専門とするSEも存在します。

システムの運用業務

テストを通過したプログラムをリリースし、その後、日常的なシステムの運用を行っていきます。たとえば、次のような業務があります。

  • バッチプログラムの起動、プログラムの実行状況の監視(運用監視)
  • 障害が発生した場合の対応(障害対応)
  • データのバックアップ(バックアップ管理)
  • 要件に応じたシステムの仕様の設計(設計)
  • ユーザID、パスワードの登録、変更、削除(アクセス管理)

これらの業務も、社内のSEが担当するケースと、外部のデータセンターにデータの管理を委託する場合があります。

ネットワーク等インフラ管理業務

社内で利用するシステムが稼働する基盤(ネットワーク等)の管理を行う業務です。たとえば、次のような業務があります。

  • ネットワークの整備、運用(ネットワーク管理)
  • ウイルス対策、管理(ウィルス対策)
  • データのバックアップ(バックアップ管理)
  • サイバー攻撃への対策、管理(不正アクセス対策)
  • 個人情報の保護、知的財産保護や営業機密保護関連業務(個人情報等管理)
  • 各従業員のPC、メールの管理他問合せ対応(機器管理)

つまり、一言で「IT系」と言っても、その業務分野や関わり方(社内または外部委託)は多岐にわたり、すべての業務を網羅的に遂行できるスキルを持つ人材はなかなか見いだせません。大企業のIT部門出身者であればなおさら、これらの業務のほんの一部のみを専門的に遂行していた可能性もあります。

また、こういった業務分野のみならず、時代とともに必要とされるスキルも日進月歩で変わっているのです。

プロフィール

audITor 公認会計士神崎時男事務所 代表 神崎時男
[所属・役職]
公認会計士神崎時男事務所 代表
[略歴]
監査法人系コンサルティングファームにおいて、システム導入支援コンサルティング業務を中心に、IT関連のコンサルティング業務に従事。その後、大手監査法人のIT監査部門において、IT監査のほか、内部統制報告制度(J-SOX)対応コンサルティング業務に従事。独立開業後も、IT監査のほか、IT関連のコンサルティング業務を数多く手がける。累計IT監査クライアントは70社程度に及ぶ。
[資格など]
・公認会計士
・公認情報システム監査人
・日本IT会計士連盟 理事
・日本公認会計士協会東京会コンピュータ委員会委員 副委員長
・日本公認会計協会IT全体委員会 委員
[URL]
http://www.auditor.jp/

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