NIKKEI

トップ>企業マネジメント最新トレンド>経営戦略における営業の役割

経営戦略における営業の役割

株式会社モラリス 代表取締役 串崎正寿

第1回中堅・中小企業の経営戦略

1.はじめに

企業の持続的な繁栄や成長において「経営戦略」は非常に重要です。それは大企業にとっても中堅・中小企業にとっても同じことです。更にいうと大企業よりも、定義により社員数や商品/サービスの種類、資本が「中小」である中堅・中小企業のほうが「経営戦略」の重要性は高いとさえいえます。失敗した時のダメージを考えればおわかりになりますよね。私は大企業から創業したてのベンチャー企業まで様々なフェーズの経営戦略策定のお手伝いをしてきました。その中で中堅・中小企業における最適な経営戦略策定のポイントについてお話ししたいと思います。

2.営業戦略こそが中堅・中小企業の経営戦略である

中堅・中小企業の経営戦略において一番重要な戦略は紛れもなく「営業戦略」です。特にアセット(資産=ヒト、モノ、カネ)の乏しい小さい企業であればあるほど「営業戦略」を中心に経営戦略を組み立てるべきです。ありもしないアセットをこね繰り回すような人事戦略、財務戦略、IT戦略、はたまた全社戦略等、これら全ての戦略は、プロフィット(利益)を如何に外から獲得するかという「営業戦略」にこそ、紐付いて作成されるべきものなのです。

昨今はどの本屋さんに行っても「戦略本」は多数並んでいます。考え方や概念ばかりが先行し身の丈に合わない戦略策定は、いたずらに時を浪費するだけです。「売上は全てを癒す」ではないですが、まずは「営業戦略」をしっかり策定し、ブラッシュアップを重ね、外からカネを引っ張ってくることが肝要です。

3.経営戦略策定の手順とポイント

経営戦略を策定するには基本となる手順があります。その手順において大企業も中堅・中小企業も変りはありません。BCG(ボストンコンサルティンググループ)やマッキンゼーなどのプロフェッショナル・ファームも、基本的にはこの手順を踏んで戦略策定コンサルティングを行っています。

まずはこの手順と考え方を下の図で良く理解してください。戦略策定を手順通りに進めていく中で重要な3つのポイントを申し上げます。
ひとつめは「具体化する」ということです。私はこのことを「因数分解」するとも言います。「こうなりたい」「こうしたい」という目標や「いまはこうだ」という現状分析まで、具体的に数字に落せるものは数字に落とし、分解できるものは素因数にまで分解するということです。
ふたつめは、「引き算ポリシー」を貫くこと。つまり目標を達成する為に現状では足りていない要件を引き算して炙り出すことです。結果的に実効性のない戦略というのは、往々にして「積み上げ型(足し算)」によるものです。
最後は、「時間を入れる」こと。つまり炙り出された具体的要件をそれぞれの因果関係を踏まえながら横軸である時間軸上に並べていくことです。これにより具体的要件の達成に「いつまでに」という時間が入り、目標(GOAL)を達成する為の「約束」が何かが明確になるわけです。時間のない約束は約束とはいわないですからね。

プロフィール

株式会社モラリス 代表取締役 串崎正寿
[所属・役職]
株式会社モラリス 代表取締役
[略歴]
元BCG代表(ボストンコンサルティンググループ)堀紘一氏が立ち上げた株式会社ドリームインキュベータ(東証一部)執行役員・営業/マーケティング担当を経て現職。DI以前は、当時の日興證券(現在のSMBC日興証券)にてトップセールスマン。"伝説のカリスマ証券マン"、"神と総理を顧客にした男"として異名を取る。
現在は"REAL INCUBATOR"を標榜した画期的な経営コンサルティング会社、株式会社モラリス の代表。日本の経営思想、経営ノウハウ、また「経営の根幹は現場にあり」を主眼に"カネを生む"営業現場を中心に"働くヒトと社(やしろ)"の育成に従事。全ての育成企業の業績を飛躍的に向上させている。また執筆、講演、研修講師等、活動の領域を広げている。
[著書]
「偏差値42でもトップ営業マンに変身できる魔法のテクニック~伝説のカリスマ証券マンが初めて明かす」
2011年5月 (串崎正寿著、PHP研究所)
「青春支援企業 ~ドリームインキュベータは挑戦する」
2007年1月(山田清機箸、プレジデント社)
[URL]
http://www.moralis.co.jp

[バックナンバー]経営戦略における営業の役割

企業マネジメント最新トレンド 一覧へ

日経産業新聞 ビジネス動画 動画で見る、話題の新製品・先端技術 詳しくはこちら

日本大学 通信教育部

月間アクセスランキング

  1. 企業マネジメント最新トレンド
    ISO9001及びISO14001の具体的な改正内容とその対応のスケジュール
  2. 企業マネジメント最新トレンド
    ISO9001及びISO14001の2015年改正における具体的な取組み方法
  3. 企業マネジメント最新トレンド
    ISO9001及びISO14001の2015年改正を契機としたISOの活用方法
  4. 企業マネジメント最新トレンド
    正しい売上・利益計画の立て方
  5. 企業マネジメント最新トレンド
    ISO9001及びISO14001の2015年改正の背景と意図

日経産業新聞ピックアップ

2017年10月20日付
  • 米ツナミ、VRで部品組み立て研修
  • サイバーブル、電子看板にネット動画広告配信
  • モフィリア、指先1つで静脈認証
  • 何でもつかむぞ万能ロボハンド 東北大、柔軟に変形
  • フジクラ、伸縮・曲げ自在な電子回路

経営喝!力 ビジネスIT活用index