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経営戦略における営業の役割

株式会社モラリス 代表取締役 串崎正寿

第3回プロフェッショナル・コミットメント

1.実行してこそ戦略

そもそも戦略とは実行するための指針であり、ロードマップです。つまり実行しなければただの「絵に描いた餅」です。この一番重要な「実行」を担保するべく個々人(社員)に求められているものが「プロフェッショナル・コミットメント」です。
企業には実行を効率よく、確実なものにする為に役割分担として組織があり、部署があり、役職があります。そしてそれぞれに「やるべきこと」「役割」が与えられています。それを果たすことが「プロフェッショナル・コミットメント」です。日本語的に言うなら「職責を全うする」とでも言うのでしょうか。つまり企業の経営戦略や実行に欠かせないもっとも大切な要素が働く社員ひとりひとりの「プロフェッショナル・コミットメント」なのです。

2.中堅・中小企業におけるプロフェッショナル・コミットメント

中堅・中小企業の場合、特にプロフェッショナル・コミットメントが求められる階層が「企業の背骨」でもあるミドルマネージメント層(以下、MM層)です。大企業に比べ現場重視の戦略を取らざるを得ない中堅・中小企業にとって、このMM層が如何に現場を指揮し、顧客情報を吸い上げ、またその情報を経営陣にインプットし、意思決定された戦略を如何に現場で実行するかという重要なポジションだからです。

MM層を昔風に言うならば「中間管理職」です。私はこの「管理職」という死語が多くの企業に誤解と過ちを犯してきたと思っています。残念ながら中堅・中小企業においてより顕著に表れています。つまりマネージメント=「管理する」ことばかりに一生懸命になっているMM層が多いということです。
MM層に求められるプロフェッショナル・コミットメントとは大きくわけて二つあります。それは「リーダーシップ」と「マネージメント」です。その重要なマネージメントを「管理する」とだけ捉えていてはそこで働く部下たちが浮かばれません。

では、マネージメントとはなんなのか。私は良く元GE会長のジャック・ウェルチの言葉を引き合いに出します。「リーダーになる前の成功とは自分自身の成長だったが、リーダーになった途端に他人(部下)の成長が自分の成功になる」。つまりマネージメントとって一番重要なのは、部下の能力を「活かしきる」ということなのです。その手法として数値管理や行動管理があるのです。ここを履き違えてはいけません。部下の持つ能力を最大限に発揮させ、効率よく業務成果に結び付くよう導き、アシストすることが目指すべきプロフェッショナル・コミットメントです。
こうして考えてみると「上司/部下」の関係というよりコーチとプロ野球選手の関係に近いのかもしれません。さぁ、皆さんは部下の能力を活かし切り、最大限の成果を上げていますか?それとも「管理職」のままですか?

3.プロフェッショナル・コミットメントの養成方法

頭の整理の為にプロフェッショナル・コミットメントの構成要素を私なりに「因数分解」してみたいと思います。まずは「プロフェッショナル」と「コミットメント」を別々にわけて考えてみます。

プロフェッショナルを下の図のように捉えてみては如何でしょう。プロフェッショナルとは専門性や技を有していることは必須条件でしょう。その技を形成する為には、努力と時間と心がけが必要です。そこで得られる技や専門性を更に「自分らしさ」と掛け合わせることでビジネスパーソンとしてのプロフェッショナルが形成されると考えられます。「自分らしさ」が欠如すると博士か教授になってしまいますからね。
またコミットメントに対しては、下図にある3つの要素を私は大切にしています。それは【1】「覚悟=強く思う」、【2】「勇気=言う気」、【3】「信賞必罰=NO EXCUSE」。特に【2】「勇気=言う気」は大切にしています。これは約束や考えを腹にしまっておかず、正々堂々とる」という意味も含まれます。声に出して宣言すると周囲だけではなく自分の耳からも言葉が入り、自分へのコミットメントがより強くなります。そうすると自ずと【1】「覚悟=強く思う」も強化されていくのです。如何ですか?会社での会議やお客さまとの商談の際に勇気を持って宣言してみませんか?成果も上がりますし信頼も得られますよ。

プロフィール

株式会社モラリス 代表取締役 串崎正寿
[所属・役職]
株式会社モラリス 代表取締役
[略歴]
元BCG代表(ボストンコンサルティンググループ)堀紘一氏が立ち上げた株式会社ドリームインキュベータ(東証一部)執行役員・営業/マーケティング担当を経て現職。DI以前は、当時の日興證券(現在のSMBC日興証券)にてトップセールスマン。"伝説のカリスマ証券マン"、"神と総理を顧客にした男"として異名を取る。
現在は"REAL INCUBATOR"を標榜した画期的な経営コンサルティング会社、株式会社モラリス の代表。日本の経営思想、経営ノウハウ、また「経営の根幹は現場にあり」を主眼に"カネを生む"営業現場を中心に"働くヒトと社(やしろ)"の育成に従事。全ての育成企業の業績を飛躍的に向上させている。また執筆、講演、研修講師等、活動の領域を広げている。
[著書]
「偏差値42でもトップ営業マンに変身できる魔法のテクニック~伝説のカリスマ証券マンが初めて明かす」
2011年5月 (串崎正寿著、PHP研究所)
「青春支援企業 ~ドリームインキュベータは挑戦する」
2007年1月(山田清機箸、プレジデント社)
[URL]
http://www.moralis.co.jp

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