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会社の持続に欠かせない相続、事業承継

東京共同会計事務所 税理士 簗田 晋治

第2回相続税、贈与税の基礎知識

1.相続税とは

相続税は、相続(被相続人の死亡によって、相続人が財産を引き継いだ場合)、遺贈(被相続人の遺言によって、財産的な利益を与える場合)、死因贈与(契約に基づいて、贈与者の死亡を条件として、財産が贈与された場合)、相続時精算課税に係る贈与(相続時精算課税制度を利用して生前贈与が行われた場合)等によって財産を取得した場合に課税される税金です。

2.相続税額の計算

相続税額の計算は、正味の遺産額(債務及び葬式費用の額を控除し、3年以内に贈与された財産額などを加算して得られた額)の合計から基礎控除額(「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」)を引いて、課税遺産の総額を出し、その総額につき法定相続分(民法の規定により定められている相続分)に従って各相続人が遺産を取得したものとして相続税の税率を適用して各人の算出相続税額を計算します。そして、各人の相続税額を合計した相続税の総額を、各相続人が実際に相続した額の比(遺産相続の割合)で配分計算した金額が各人の納付すべき相続税額になります。納付すべき相続税額から引くことのできる相続税の税額控除には、贈与税額控除や配偶者の税額軽減などがあります。

相続税の申告は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に、相続税申告書の提出及び納付を行わなければなりません。

3.贈与税とは

贈与税は、個人から財産をもらったとき等にかかる税金です。財産をもらった人は、毎年1月から12月にもらった財産について、翌年3月15日までに、贈与税申告書の提出及び納付を行わなければなりません。

4.暦年単位課税制度と相続時精算課税制度

贈与税には「暦年単位課税制度」と「相続時精算課税制度」の2通りの課税制度があります。

暦年単位課税制度とは、1年間にもらった財産が「贈与税の基礎控除額」を超える場合に、贈与税の申告、納付が必要となる制度です。基礎控除額は年110万円で、もらった人単位で計算します。

相続時精算課税制度による贈与には、適用対象者毎の特別控除額が2,500万円と、大きな非課税枠が設定されています。特別控除額を超える場合は、その超える部分については一律20%の税率で課税されます。

この制度を活用した場合、財産をあげた人の相続が発生したときには、贈与を受けた財産を、その相続税の計算上相続財産に加算することになっています(既に支払った贈与税は相続税から控除することができます)。この適用対象者は、贈与者は65歳以上の親に限られ、受贈者は20歳以上の子供(相続人)になります。

なお、相続時精算課税制度の適用を受ける場合には、「相続時精算課税選択書」の提出が必要です。特別控除額の範囲内で税額が出ないときでも、必ず、翌年3月15日までに贈与税の申告書が必要になります。

プロフィール

東京共同会計事務所 税理士 簗田 晋治
[所属・役職]
東京共同会計事務所 税理士
[略歴]
山本共同会計事務所(現税理士法人ワイズコンサルティング)、 公認会計士辻会計事務所 (現 辻本郷税理士法人)を経て現職。
相続・事業承継対策、M&A(合併・買収等)に関する税務アドバイス、税務デュー・ディリジェンス等 
[論文・書籍]
「ケーススタディ これならわかる!金融取引の税金(連載)」:金融財政事情研究会『KINZAI ファイナンシャル・プラン』、2008年6月号(Vol.20/No.280)~10月号(Vol.20/No.284)
[講師]
  • 「相続事業承継事例発表『事業承継対策編』」:2011年11月、JP税務戦略研究会主催「第5回定例会」
  • 「どうなる!? 法人税・税制のゆくえ」:2010年12月、スターツ経営者クラブ主催
  • 事業承継支援セミナー「次代をひらく事業承継対策」:2010年11月、とやま中小企業応援ネットワーク事務局主催
  • 「プライベートバンキング(PB)にかかわる最新税務のポイント」:2010年3月、(株)FNコミュニケーションズ主催
  • ケーススタディで学ぶ従業員への事業承継提案事例:2009年12月、BMCネットワーク
  • 「相続・事業承継対策」「税制改正」等:金融機関職員研修、一般向けセミナー等多数
[URL]
東京共同会計事務所

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