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会社の持続に欠かせない相続、事業承継

東京共同会計事務所 税理士 簗田 晋治

第4回今からできる相続、事業承継対策

1.相続対策

相続対策は、遺産分割("争族")対策が最も重要になります。

"争族"防止のためには、遺言書の作成が効果的ですが、遺言書の作成をする前にまず財産の内容を把握し、財産の特性を理解し、財産を受け継ぐ相続人にとって管理・処分しやすいように割り当てする必要があります。

相続対策で次に大事なのは納税資金対策です。納税資金の不足を解消するためには、生前贈与の活用などの節税対策により相続税額を軽減すること、納税資金対策により、相続税の納税資金を増やすことがポイントになります。

相続税の納税は原則として現金による一時納付になります。したがって、納付に必要な現金を増やしておくために、生前に有価証券、ゴルフ会員権、不動産等の資産を売却して、納税資金を準備しておく方法があります。また、生命保険の活用(死亡保険金)や被相続人(法人の役員)の死亡に伴い支給される死亡退職金で納税資金を準備する方法もあります。

2.相続税対策

相続税対策は、相続税額を少なくする節税対策です。代表的なものには、生前の計画的な財産移転と評価引き下げ対策があります。

第3回で解説した年間110万円までの贈与には税金がかからない生前贈与対策や相続時精算課税制度の有効活用により、税効率よく生前に財産を移転する方法があります。

所有土地に賃貸住宅などを建てる事によって、相続税評価額を下げることができます。しかも家賃収入等が期待できるため、相続税対策後の生活も安定する事につながります。

但し、多額の建設資金を要するため借入を行うこともあり、将来の資金収支等を十分に検討する必要があります。

財産移転と評価引き下げ以外にも、生命保険金の加入や、小規模宅地等の評価減の上手な活用が挙げられます。生命保険は「500万円×法定相続人の数」まで非課税となります。非課税限度額まで終身の死亡保険に加入すれば効果の大きい対策となります。小規模宅地等の評価減は、一定の条件のもと、土地の評価額が減額(自宅等の場合は80%の減額)される制度です。

3.事業承継対策

第1回で解説したように、相続税の納税問題と遺産分割の問題を回避し、事前に後継者へ自社株式を承継することが事業承継対策になります。

オーナー経営者が所有する自社株式(取引相場のない株式)は、純資産価額方式(評価対象会社の資産及び負債の評価額をもとに算出)、類似業種比準価額方式(評価対象会社と、業種等が類似する上場会社の「平均株価」を基に「配当」「利益」「純資産」を比準要素として、評価対象会社のものと比較して算出)、配当還元価額(2期の平均配当額を基に算出)の方法により評価されます。

まず自分の会社がいくらで評価されるのかを早急に把握し、オーナー経営者の所有する自社株式の株価引下げ対策(純資産額、配当金額、利益金額を引き下げる)を行ったうえで、相続人等の後継者へ自社株式を計画的に譲渡、贈与することがポイントになります。

プロフィール

東京共同会計事務所 税理士 簗田 晋治
[所属・役職]
東京共同会計事務所 税理士
[略歴]
山本共同会計事務所(現税理士法人ワイズコンサルティング)、 公認会計士辻会計事務所 (現 辻本郷税理士法人)を経て現職。
相続・事業承継対策、M&A(合併・買収等)に関する税務アドバイス、税務デュー・ディリジェンス等 
[論文・書籍]
「ケーススタディ これならわかる!金融取引の税金(連載)」:金融財政事情研究会『KINZAI ファイナンシャル・プラン』、2008年6月号(Vol.20/No.280)~10月号(Vol.20/No.284)
[講師]
  • 「相続事業承継事例発表『事業承継対策編』」:2011年11月、JP税務戦略研究会主催「第5回定例会」
  • 「どうなる!? 法人税・税制のゆくえ」:2010年12月、スターツ経営者クラブ主催
  • 事業承継支援セミナー「次代をひらく事業承継対策」:2010年11月、とやま中小企業応援ネットワーク事務局主催
  • 「プライベートバンキング(PB)にかかわる最新税務のポイント」:2010年3月、(株)FNコミュニケーションズ主催
  • ケーススタディで学ぶ従業員への事業承継提案事例:2009年12月、BMCネットワーク
  • 「相続・事業承継対策」「税制改正」等:金融機関職員研修、一般向けセミナー等多数
[URL]
東京共同会計事務所

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