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経営者ためのブレインマネジメント~経営者のためのとっておきの脳活用習慣

株式会社 オーナーズブレイン 小泉大輔

第2回ブレインマネジメントの活用法~達人たちに学ぶマンネリ思考パターンからブレイクスルー

前回は、気づかないうちにハマってしまう脳の癖を知っていただくために、いくつかのクイズにチャレンジしていただきました。今回は、パターン化する思考回路の仕組を理解するとともに、達人たちの発想力・気づく力を高める脳習慣術(ブレインマネジメント)についてお話したいと思います。

そもそも、私たちは、なぜ、気づけなかったり、新しい発見をすることができないのでしょうか?
それは、思い込み、先入観などのイメージや価値判断、そして、そもそも"関心を持っていない"ことに起因します。

経営コンサルタントの小宮一慶さんは、講演で、セブンイレブンのロゴが「7-ELEVEn」と最後がnという小文字に気づけたかというメタファーを用いて、発見力=ものが見える力のお話をされます。何度見ていても、気づかない人は気づかないことがよくわかります。

では、どのようにしたら、もっと気づけるようになるか、そして見えるようになるか。
その一つの手法として紹介したいのは、価値判断・イメージを変化させるという方法です。
実際、発想力に富んでいる、そして、よく気づくといわれる達人たちをリサーチしていると、脳習慣術(ブレインマネジメント)に次のような共通点があることを発見しました。

ブレインマネジメント(1)は、「焦点をあてる」ということです。
そもそも、関心がないと、何も情報が入ってきません。そこで、意識的にアンテナを立て意識していないところ、見ていないところを見る機会を作るということです。
たとえば雪。通常私たちは、雪というと、数種類程度しか、見分けられないと思いますが、雪の中で生活するある部族は、50種類以上もの雪を見分けられるそうです。見分ける力も一つの才能とも言えますが、ここで重要なのは、違いが分かるほどにそのことに関心があるということです。

そこで、気づく力を高めるためのアンテナを立てるトレーニング手法の一つとして、心理学にも登場する「カラーバズ」という手法を紹介したいと思います。これは、その日一日、色でも、形でも、キーワードでも、ある一つのモノに意識して見てみるという方法です。たとえば、今日は、△の形をしたモノだけ見るとか、赤のモノだけを見てみるという習慣です。このように無意識を意識化することで、普段見えていないものをはっきりと見ることができます。この手法は、行き帰りの通勤時間でも、また、新聞や、本を読むときにでも活用できます。私の場合は、少しでも隙間時間が空くと書店に行くのですが、書店に入る前に、何か一つキーワードを決めて、このトレーニングを行うと、思わぬ発見、ひらめくことが多いです。

また、難しい本や、机に積み重ねてしまっている本を読む時など、なかなかモチベーションが沸かないことがあるかと思いますが、そのような時には、本を読む前に、目的意識を持つ、著者の情報、書評、あらすじなど、事前に情報の下敷きを入れることによって、本への読みたい気持ち、関心を高めます。そうすることで、今まで以上に、本の内容が頭に入り易くなり、読むスピードも上がり、途中で投げ出さずに読み切れるようになります。

次に、ブレインマネジメント(2)は、「広げて→絞る」です。何か、問題点を見つける、新たな発想をする場合、勉強でもそうなのですが、一度ではなく、何度も、情報を広げて、絞ることは、効果的です。そして、それを繰り返すことで、今まで見えてこなかったことが見えてくることがあります。

私が原稿や講演を依頼された際に、まず行うことは、一つのテーマに関する書籍、雑誌、インターネット、そして専門家の意見など、入手できるあらゆる情報をできるだけ広範囲にかき集めます(広げる)。次に集めてきた情報を、一つの箱や、ファイルにクリッピングします。さらに、集めた情報の中から、一つのテーマ、課題を絞り込んで、一つの角度から読んでみる。つまり、情報をセグメント化して、串刺しで学ぶ(絞る)のです。このように広げた後で、一つの側面からその情報を見る、さらに、余分な情報をそぎ落とすことで、内容を洗練していきます。これは、「複雑化→単純化」と言い換えることもできます。特に絞り込む際には、「分解する」「比較する」という作業を組み合わせることで新しい発見があることがありあます。

そして、最後のブレインマネジメント(3)は、「関連付ける」です。スティーブ・ジョブスは、スタンフォード大学の伝説のスピーチにおいて、「点と点をつなぐ」と表現しました。ジョブスは、ドロップアウトしてカリグラフィーの講義に立ち寄ったからからこそ、パソコンで素晴らしいフォントができたと、一見するとつながりがなさそうな事柄に関して、「点と点をつなぐ」ことの重要性を表現しています。

ここで2つほどユニークな企業事例を紹介させて下さい。1社目は、社員に愚痴を言うことを推奨しているという企業です。ただし、この会社では、愚痴を言うときには、必ず、プラスのことを一言わねばならないとルールが決められてます。その心は、単なる愚痴も、愚痴にプラスの言葉が加わると、提案になるからだそうです。

もう1社は、読書習慣を導入している会社の例です。ここの会社は、定期的な課題図書を与えているのですが、ただ、本を読んだら読みっぱなしになるのではなく、その中から仕事に活かせることを最低一つ考えることをルール化しています。読みっぱなしにするのではなく、業務に活かす関連づけが行われることで、会社にとってもプラスとなる豊かな発想が生まれます。知恵とは、まさに関連付けること。この関連付けを行うことで、より成果につなげていき易くなります。今回、達人たちのブレインマネジメント(1)(2)(3)をご紹介させていただきましたが、大事なことは、思い込み、先入観などのイメージ・価値判断を変え、関心を持つということです。次回は、楽しく実践できるブレインマネジメントツールをご紹介いたします

プロフィール

株式会社オーナーズブレイン 代表取締役・公認会計士・税理士 小泉 大輔
[所属・役職]
株式会社オーナーズブレイン 代表取締役・公認会計士・税理士
[略歴]
朝日監査法人(現あずさ監査法人)、新日本監査法人を経て現職。
株式公開支援、M&A、企業価値算定をはじめ、会計・財務のコンサルティングを主たる業とするほか、数多くのセミナー・講演活動を行っている。
[著書・訳書など]
『コーポレート・ガバナンス報告書 分析と実務』2007年4月(共著、中央経済社)
『要点解説 金融商品取引法』2007年10月(共著、中央経済社)
「財務スキル教室」(「クオリティー・マネジメント」‐日科技連)
「金融商品取引法に向けた企業の対応」(「クオリティー・マネジメント」‐日科技連)等
[URL]
http://ownersbrain.com/

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