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経営者ためのブレインマネジメント~経営者のためのとっておきの脳活用習慣

株式会社 オーナーズブレイン 小泉大輔

第4回気づいた時の脳の状態と脳の活性化(フロー理論+5感を活用する。)

これまで、パターン化してしまう思考回路、そして、それをブレイクスルーするためのツールについてご紹介してきました。最終回となる今回は、発見力、そして、気づきやすい脳や心の状態についてのお話をしたいと思います。

私は、発見力が高まり、いろいろなことに気づきやすくなる時は、脳や心がフロー状態にあるのではないかと思っております。

フロー状態とは、1975年に心理学者チクセントミハイさんが研究、発見し、世界に広め有名になった理論で、人や組織が最高のパフォーマンスを発揮する脳や心の状態をいいます。そして、フロー状態にあるということは、不安やイライラなどによる感情が揺れ動かず、また、勝手な意味づけや、思い込みによって、心がとらわれていない状態にあると言えます。幼いときに、何か時間を忘れて熱中し、時間も忘れて没入したような状態がまさにそれです。

フロー状態を研究しているスポーツトレーナーの辻秀一さんによれば、フロー化が起こると、それを心から楽しんでいる状態になり、最高の結果であるピークパフォーマンスへと結びついていくそうです。実際、フロー理論を活用し、多くのトップアスリートや成長企業が実践し、著しい成果を上げております。

では、実際にフロー状態を作り出すにはどのようにすればよいのでしょうか?

ハーバード大学の人気授業「ポジティブ心理学」のタル・ベン=シャハー講師によれば、そのキーワードは、"楽しさを感じていることに気づく"ことにあるようです。彼の研究によれば、幸福で成功する人の多くは、常に疑問を持ち、周りの世界に対する好奇心を持ち続けるという特徴がある一方で、そうでない人は、思い込みが原因で、仕事をつらく感じ、楽しめてないようです。この時、大事なのは、ただ楽しさを感じるだけでなく、楽しさを感じていることに"気づく"ということだそうです。また、先ほどご紹介した、辻秀一さんも、フロー状態に入るための方法として、自分の心の状態に気づく力をつけることが大事と言っております。

例えば、雨が降っていると「いやだな・・・」とか、「○○がつらい・・」と、外側のことばかりに目を向けて、意味づけをしてしまう。ただ、傘をさせば済むことだけなのに、これでは、ノンフローな心を生み出してしまいます。人間の脳は、もともと、自然と、外側のことに目を向けて、あらゆることに自分勝手は意味づけしようとする習慣があります。

そこで、フロー状態に導くためのトレーニング方法としては、外側の出来事の方ばかり向けるのではなく、脳を内側にむかせ、自分の感情に気づく練習を徹底的に行う。そして、その時、フローでいることの価値を認識し、フローが起こった先にどんなよいことが待っているかを考えることが有効だそうです。

私自身、フロー状態に入っているときは、雑念がわかず、集中力が高まり、周囲との一体感を感じ、自分でも驚くほどのアイデアが湧いてくることを実感しております。私の友人の経営者に聞いても、同様の答えが返ってきます。

これはきっと、フロー状態においては、こうでなければならないなどと、先入観で判断しない状態、つまり、価値判断、イメージが緩まっている状態であるのではないかと思います。

最後に、フロー状態を作り易くする方法をご紹介したいと思います。特に最近、私が注目しているのは、あえて"思考を止める"という方法です

それは、思考にとらわれ、勝手に意味づけをしないことです。すなわち、自分の中にある価値判断、イメージを"変える"というのではなく、"緩める"、そして五感で感じることに集中する方法です。これは、まさに、禅にも通じるのですが、思考を止めて、五感をフルに使って、味わうということです。映画「燃えよドラゴン」では、師匠であるブルース・リーが、弟子に教えるという印象的なシーンで、"Don't think, feel it"という言葉を使って、思考よりも、感じる力を重要であることを伝えております。私自身、価値観やイメージが緩むと、ひらめくことが多くなることを実感しております。

断捨離(だんしゃり)、トイレ掃除に注目が集まるのも、思考を手放し、五感で感じることに集中することによって、気づく力が高まるという効果を実感される方が多いからだと思います。そして、今までのパターンを変え、気づく力を高めることは、人とのご縁に恵まれ、その結果、運が向上につながる。最近、そのことを私自身、身を持って感じていています。4回にわたって、お伝えしてきた脳習慣術(ブレインマネジメント)お読みいただきありがとうございました。

プロフィール

株式会社オーナーズブレイン 代表取締役・公認会計士・税理士 小泉 大輔
[所属・役職]
株式会社オーナーズブレイン 代表取締役・公認会計士・税理士
[略歴]
朝日監査法人(現あずさ監査法人)、新日本監査法人を経て現職。
株式公開支援、M&A、企業価値算定をはじめ、会計・財務のコンサルティングを主たる業とするほか、数多くのセミナー・講演活動を行っている。
[著書・訳書など]
『コーポレート・ガバナンス報告書 分析と実務』2007年4月(共著、中央経済社)
『要点解説 金融商品取引法』2007年10月(共著、中央経済社)
「財務スキル教室」(「クオリティー・マネジメント」‐日科技連)
「金融商品取引法に向けた企業の対応」(「クオリティー・マネジメント」‐日科技連)等
[URL]
http://ownersbrain.com/

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