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ソーシャルメディアリスクの脅威と対策

コントロールソリューションズ株式会社 代表取締役 公認会計士 佐々野 未知

第2回ソーシャルメディアを利用することによって生じるリスクとその原因、なぜ起きるのか?

ソーシャルメディアの利用によって様々な事故が発生する可能性があります。しかし、企業がそれを利用しないことはもっと大きな損失になるかもしれませんし、従業員やそれ以外の人々が個人的に利用することを止めることもできません。企業はその利用にかかるリスクをしっかり認識したうえで、上手に取り入れていくことが不可欠です。

今回は、ソーシャルメディア利用によるリスクとその原因について解説します。

1.ソーシャルメディアの2大リスク

ソーシャルメディアを通じた不特定多数への情報発信からもたらされるリスクは、「評判リスク」と「情報漏えい」に大別されます。つまり、発信した内容から企業の評判や信用が低下するリスクと発信するつもりのない機密情報等が発信されてしまうリスクです。情報発信者としては、企業自身(公式アカウントを通じて)、従業員(アルバイト等含む)、その他外部の人々(一般の個人、他社等を含む)があります。

2.評判リスクとその原因

企業アカウントを通じた不適切なコメントや、従業員の個人アカウントからの不用意な発言、さらには、一般の人々が企業に対してつぶやいた不満などをきっかけとして、ある企業の行動や対応が集中的に非難されるケースが増えています。企業行動について、これまでは明文化された法令等の順守が主に注目されてきましたが、倫理や誠実性といったものが強く求められるようになっているのです。

このリスクは、特に一般消費者の認知度や関心度が高いB-to-C(一般消費者との取引)企業の場合、高くなります。

3.情報漏えいとその原因

iPhoneなど携帯端末が利用されるようになり、より簡単に&うっかり、企業の情報が流出する環境になっています。悪意をもった従業員は言語道断ですが、情報漏えいとは思わず何気なく投稿した内容から情報を推測されたり、投稿するつもりがない操作誤りによって情報が外部に流出する可能性が高まっているのです。

B-to-C企業の場合、炎上につながることも多いため情報漏えいに気づきやすいですが、B-to-B(企業間取引)企業の場合、一般消費者の関心が低いため、機密情報等が流出したこと自体を把握できないことが多々あります。ニュースにならない、損害にも気付かないという顕在化しない事故は、炎上よりも圧倒的に多く存在するため、企業はリスクの存在を認識することが必要です。

次回は、リスクへの対応策として「ソーシャルメディアの利用に関する社内ルール」をテーマに解説します。

プロフィール

コントロールソリューションズ株式会社 代表取締役 公認会計士 佐々野 未知
[所属・役職]
コントロールソリューションズ株式会社 代表取締役 公認会計士
[略歴]
上智大学経済学部卒業。大原簿記学校講師、青山監査法人(当時)勤務を経て1998年KPMGニューヨーク事務所に入所。2002年以降はKPMG東京事務所(現あずさ監査法人)にて外資系企業の法定監査、 デューデリジェンス、GAAPコンバージェンス、SOX法対応支援業務等を担当。退所後は2006年2月に株式会社Bizコンサルティング(合併後、現コントロー ルソリューションズ㈱)を設立、現在は同社の代表取締役。内部統制やリスク管理に関して多くの企業の指導に関わるほか、執筆、講演会、セミナー等も行っている。
私生活では2児の母親として子育てに奮闘中。
[著書・訳書など]
「フローチャート式ですぐに使える内部統制の入門と実践」「内部統制の評価・活用ノウハウ ムリ・ムダ・ムラをなくしてIFRSs、ERMへ展開」(いずれも中央経済社)他。
[URL]
http://www.c-solutions.jp

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