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~目標達成とは変化する環境の中で自己を変革すること~

「目標達成は90日」
~目標達成とは変化する環境の中で自己を変革すること~

株式会社ニューチャーネットワークス 代表取締役 高橋透

第4回危機的状況こそ自己変革のチャンス

今回が本コラムの最後となるが、最後は「危機的状況こそ自己変革のチャンス」と題し、も目標管理の過程で多くの人が直目する「自己変革」に関してご説明したい。

目標達成とは自己変化そのものである

どのような仕事でも目標を達成させることは極めて難しい。しかも継続して数年間目標を達成することは至難の業である。なぜなら周りの環境が常に変わり、過去の考え方、方法が通用しなくなるためである。しかしながら、誰しも人は一度成功した方法を将来にも適応させようとする。それが危機に陥り、失敗の原因、さらには目標が達成できない原因となるのである。

その一方でその危機的状況に落ち入ったその時に、修羅場の中でもがいて成功要因を見つけ出す人がいる。なぜ成功要因を見つけられるのか?その答えは自己改革にある。危機的状況の中で、環境変化に合わせ自己を変革し、顧客やライバルなど経営環境をリードできるようになるのだ。

冷静に考えてみると、ほとんどすべての目標達成には自己変革が伴う。目標達成の過程で、修羅場に直面し、辛い目にあって当然なのだ。そのような危機的状況な時にこそ、自己変革のチャンスと考える積極思考が重要なのである。

自己変革を遂げるための3つのポイント

では、目標を達成させるための自己変革を遂げるためにはどのようなポイントがあるのだろうか。ここでは3つ取り挙げたい。

自己変革のポイント1:素直であること(オープンさ)
自分の実力が外部の変化に対応できるか否かを冷静に認識し、自分自身の何を変えるべきかを率直に認識できることが重要である。簡単に言うとそれは「素直さ」である。
厳しい状況になると多くの人は、失敗したことやできない理由を顧客、上司、同僚などの自分以外に求めようとする。周りをよく観察してみると8割ぐらいの人が、失敗の原因を自分以外の外部にあると認識している。自分の非を認めることが自分に不利になるからだろう。人によっては多くの時間を、自分ができないことを正当化することに費やしていることもある。
しかし冷静になって考えてみると、「だめだったら素直にそれを受け入れ、修正し、やり直す」という考え方が自分自身にとってプラスである。そのためにも"常に自分自身の気持ちを素直な状態にしておく"必要がある。周りの忠告や自分の失敗を受け入れるマインドセット、英語ではよくオープンさ、オープンマインドなどと呼ぶ。
その実践はごく簡単である。日常のごく小さなことで失敗したら、その原因を自分に求めるのである。なぜ遅刻したのか?なぜ風邪をひいてしまったのか?なぜ説明がうまくできなかったのか?どんな小さなことでもよい。日常の中で素直になる、心の柔軟体操が効果的である。
自己変革のポイント2:すべてのことから学ぶ姿勢
人生や仕事には、他人とくらべると「なんて遠回りなのだろう」「自分ばかりなぜこんな苦労をしなければいけないのか」と悔やみ、悩んでしまう場合が誰しもある。
しかし目標を連続して達成している人を見ても、無駄とおもえることをやってることが多い。目標に対して常に効率的とは言えないことも意外に多い。それは個人的な家庭の問題であったり、会社での仕事のことなど様々である。しかしどのような状況にあっても、よく目標を達成する人は、周りから学ぶ姿勢を持っている。目標達成とは関係ないことからも学び、結果的に目標達成に活かされている。
自己変革のポイント3:気持ちの切り替えがうまく、早い
スポーツでも仕事でも、気持ちの勢いが大変重要である。失敗続きだと気分も落ち込み、周りのことすべてを後ろ向きに考えてしまいがちである。実際は成功していても、失敗に目が行きがちになる。後ろ向きに考えがちな人は、これまで積み重ねてきた仕事や生活の実績をご破算にして大きく「気分」を変えたがる。しかしそれは人生にとって大きなロスであり、また元のパターンにもどってしまうことが多い。
一方業績の良い人は、失敗した時の気持ちの切り替えがうまい。同僚と飲みに行ったり、自分の好きな趣味に没頭したり、得意な仕事に集中したりなど。
また切り替えのための時間が短く、かつ適切である。この「適切」というのは、失敗は失敗として「素直に」認め、あるべき意識、行動とは何かを見つけ、"小さく、うまく、しかも瞬時に気持ちを切り替える"のである。単に失敗を忘れてしまうのではない。
気持ちを切り替えるには、自分なりのいくつかのパターンを持っておくと効果的である。スポーツ選手であれば、「帰りの道を変える」「特定の練習をして気分を切り替える」「成功した時のビデオを何度か見る」などといったことをよく聞く。

4回に渡って90日での目標達成の考え方、方法に関してのべさせていただいた。今回の第4回目で述べたように、目標達成とは自己変革そのものである。危機的状況が多ければ多いほど、自己変革、自己成長の機会は多い。したがってこれからのビジネスリーダーとは、多くの危機的状況を乗り越え、結果を出す経験を通じて生まれていくと思う。みなさんのお仕事、生活にお役に立てれば幸いである。

プロフィール

株式会社ニューチャーネットワークス 代表取締役 高橋透
[所属・役職]
株式会社ニューチャーネットワークス代表取締役
株式会社ニューチャーアジア代表取締役
上智大学経済学部非常勤講師
[略歴]
1987年上智大学経済学部経営学科卒業後、旭硝子株式会社入社、セラミックスのマーケティング、新規事業の消費財の商品企画、広告宣伝を担当。その後大手コンサルティング会社を経て、1996年に経営コンサルティング会社ニューチャーネットワークスを設立し、代表取締役を務める。2010年より上智大学非常勤講師。
[著書・訳書など]
「ネットワークアライアンス戦略」(共著、日経BP、2011年)
「事業戦略計画のつくりかた」(PHP研究所、2006年)
「図解でわかる・技術マーケティング」(共著、JMAM、2005年)
「GE式ワークアウト」(デーブ・ウルリヒ他著、共訳、日経BP、2003年)
[URL]
http://www.nuture.co.jp/

[バックナンバー]「目標達成は90日」
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