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中小・中堅企業に求められる人材マネジメント

株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役社長 兼 CEO 大野順也

第1回環境変化に伴う人材マネジメントの変化

言わずもがな、過去、日本は右肩上がりの高度経済成長を遂げてきた国です。当時の日本市場にはモノが無く、モノを作れば売れる時代を経て、現在に至っています。人口構造においては、第一次、第二次とふたつのベビーブームと呼ばれる人口の多い世代を持ち、受験や就職と言った節目節目で競争する環境が存在していました。

これまでの人材マネジメントを、このような市場環境と人口構造から見ると以下のようなことが言えます。

  • 1.競争することが当たり前で育った人材が多く、勝ち負けが人材の是非の基準になっていたことから、昇格や昇給などの格差を付ける仕組みが有効に機能した。
  • 2.経済成長に呼応して、企業規模が大きくなることが当たり前であったことから、社内にポストや機会が多く存在し、社外にキャリアを求めるのは少数派で、退職や転職は悪という認識が存在していた。
  • 3.市場全体が拡大基調にあったことから、活動全般において量が求められる傾向が強かった。

これらの市場環境や人口構造からみた人材マネジメントの捉え方も、もはや10数年前のことです。現在においては、日本経済の成長は横ばいになり、モノは市場に溢れています。そして、その高度経済成長を支えた第一次ベビーブーム世代は、定年を迎え労働市場から姿を消し、採用及び人材の調達方法においても、これまでのような新卒採用だけでなく、中途採用や派遣労働者の受け入れが一般的になり、昨今では外国人労働者の受け入れを積極的に行う企業も増えてきています。一方、労働者側の観点から見ると、モノが市場に溢れ、商品やサービス、また方法論に選択肢が増えたことから、自ずと個々の多様性が認められる環境が整ってきています。

  • 1.勝ち負けよりも、多様性や個々の価値観が認められる(認めてもらえる)ことに重きをおく層が増え、競争によって昇格や昇給などの差を付ける仕組みが有効に機能しない。
  • 2.企業成長は横ばいであり、社内のポストや新しい経験・機会が望めず、また転職というキャリア形成の手段が一般化したことから、退職や転職に対してポジティブな認識が芽生えた。
  • 3.市場成長が低調であると共に、IT技術などのテクノロジーが進化することで、量の活動よりも質の活動が求められるようになった。

このような背景から、これからの人材マネジメントにも以下のような変化が求められています。

このような変化に呼応する人材マネジメントを講じている企業が、継続的な発展と成長を遂げていくと考えられます。

プロフィール

株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役社長 兼 CEO 大野順也
[所属・役職]
株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役社長 兼 CEO
[略歴]
株式会社パソナ(現パソナグループ)の営業を経て、営業推進、営業企画部門を歴任し、同社の関連会社の立ち上げも手掛ける。
後に、トーマツ コンサルティング株式会社(現デロイト・トーマツ コンサルティング株式会社)にて、組織・人事戦略コンサルティング業務に従事し、2006年1月に『株式会社アクティブ アンド カンパニー』を設立。
代表取締役に就任。現在に至る。
[URL]
http://www.aand.co.jp/

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