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ビル管理におけるメンテナンス費用削減のポイント

株式会社S.T.S 取締役営業部長
平井 迅

第2回タイムシフトにおけるコスト削減

弊社は清掃をメインとしたビルメンテナンス会社のため、清掃におけるコスト削減についてお話したいと思う。
清掃の種類には大別すると日常清掃・定期清掃・特別清掃があるが、その中でも一般的に費用が多大にかかる日常清掃に注視したいと思う。

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近年の日常清掃は厳しい経済情勢の影響で時間数を削りコスト削減するパターンが増えている。 その為、以前は週5回/実働6時間(週30時間)だったものが、今では週3回/実働2時間(週6時間)などに時間数が減少してきてもいる。
従来は作業範囲全体に対して毎日手を付けていたが建築に用いられる素材の機能向上の影響もあってエントランスやトイレなど、重汚染箇所以外は1週間をかけて全体を清掃する方法に変わってきた。
主な作業内容はゴミの回収業務や給湯室・トイレなど共用部の水廻り清掃を中心としたもので、朝の時間帯に比較的行われる。
時間帯の設定については朝からきれいな状態でオフィスを使いたいという顧客の要望に応える為ではないだろうか?
また清掃を行う側としても、朝の作業は出社する顧客数が少ないため作業上効率的などの利点もある。

しかしビルメンテナンス業界全体で朝作業を行っている為、人材の確保をするのが難しい状態となっているのも事実だ。
また、日常作業員に支給できる賃金が低いことも、人材確保を難しくしている原因のひとつだろう。
広告媒体を見てもビルメンテナンス業の求人広告は毎週相当の数で日常清掃員を半年以上雇用できていないケースも増えている。
こうした問題にどのような解決方法があるだろう。

みなさんは「タイムシフト」という言葉をご存じだろうか?
ネットで検索してみると放送用語として最近は使われる傾向があるようだが翻訳すると「時間シフト」「時間移動」と出てくる。
これは今働いている時間帯を別の時間帯に移動する事を指す。

そこで提案なのだが朝の時間帯に作業する日常清掃を夜間にタイムシフトする事は難しいのだろうか?
(日中にシフトさせるということも考えられなくもないが、顧客の建物の利用状況を考えると現実的ではない)
ビルメンテナンス業における午後以降の仕事は募集量が少ないせいもあるが、応募者からの電話が鳴りやまないほどである。
応募が多ければ、こちらも人選を優位に進められ(応募人数が少ない朝の清掃では多少難がある人材でも穴埋め的に雇用せざるを得ないケースも多々ある)質の良いサービスが提供できる可能性が増えてくる。
雇用する側としても朝に代行業務(従業員が休んだ場合の穴埋め作業)が集中するより時間が分散される方が余剰人員を抱えなくて済み作業する会社とすれば利点となる。
先にも述べたように半年決まらないまま募集費用がかさみ作業会社側の経営が圧迫される事を考えれば、タイムシフトの導入により費用を圧縮できるため、顧客からの金額交渉にも少しは応じやすくなるのではないだろうか?
ただ、現状複数名で作業している場合、タイミングをみながら交渉するのが望ましい。
従業員の定年や切り替えるタイミングが会社によってあるはずだ。
ここでは朝の清掃時間帯を夜間の清掃時間帯に切り替えるような話し方をしてきたが実際にはビルの稼働状況・利用状況によって随分と変わってくるだろう。

みなさんの職場などでも検討され、管理会社へ提案をしてみてはいかがだろうか。

プロフィール

株式会社S.T.S 取締役営業部長
平井 迅
[所属・役職]
株式会社S.T.S 取締役営業部長
[略歴]
1996年 高校卒業後、有限会社埼玉都市計画サービス(現 株式会社S.T.S)に入社。
1998年 音楽レーベル「打壊レコード」設立
2003・2005年 NGO団体「ピースボート」に乗船。
2006年 10年間の現場作業を経て営業職に転換。ハウスクリーニング技士 取得
2008年 ビルクリーニング技能士 取得
2009年 IICRC カーペットクリーニングテクニシャン 取得
2011年 建築物環境衛生管理技術者 取得
2013年 IICRC コマーシャルカーペットメンテナンス 取得
[URL]
株式会社S.T.S

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