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実例でわかる特許・意匠・商標

ノースブルー国際特許事務所 代表弁理士
駒津 啓佑

第1回作ったモノはマネされたくない!

「知的財産の保護と活用」という言葉をよく耳にします。

しかし、具体的には何をどうしたらいいかよくわからないというお話もよく耳にします。

実際に、「特許をとりたい」という方にお話を聞いてみると「商標」の話であったり、「商標をとりたい」という方にお話を聞いてみると「意匠」の話だったりしたことは一度や二度ではありません。
そこで、今回は具体的な実例に基づいて、どのような場面でどのようなことに気付いて行動していけば、「知的財産の保護と活用」ができるのかについて「やわらかめに」お話をしてみたいと思います。

第1回目は一番王道な「モノ作り」の場面についてお話しします。

早速ですが、開発者の立場を体験してみましょう。

あなたはダブルクリップを開発しました。ダブルクリップをご存じない方は次の条件からどのようなものか想像してみてくださいね。

images_01.jpg

ダブルクリップがどのようなものかわかりましたか?これのことです。

images_02.jpg

このダブルクリップは、開発された当初は相当画期的なモノだったのではないかと思うんです。そう思いますよね?
この画期的なモノをあなたが開発したわけです。

「マネされたくねぇ。」

当然そう思いますよね?

画期的なモノを考えついたときは、「特許権」と「意匠権」で保護することを考えます。「特許権」はよく聞くけど「意匠権」ってあまり耳なじみがない方が多いのではないでしょうか。この「意匠権」というのが意外に使えるんです。

images_03.jpg

この2つのどちらかにあたるときは、「意匠権」って言葉をちょっと思い出していただいて、近くの弁理士に相談してみてください。きっと役立つ情報をもらえるのではないかと思います。

この「意匠権」という権利を取るとどういういいことがあるかと簡単に言いますと、形が同じモノか似ているモノを差し止めできたり、損害賠償請求できたりするわけです。この似ているモノというのが若干くせ者でして、どの程度だったら似ているのか?どの程度だと似ていないのか?というのは一概に言えないので、出し惜しみしているわけではなく(!!!とても強調。)近くの弁理士に相談してみてくださいとしか言えないのですが、少なくとも形が同じモノは差し止めできたり、損害賠償の対象とできるわけです。

「意匠権」の何がすごいかと言いますと、パクリ(コピー)商品の傾向に秘密があるわけです。

コピー商品を作る人の鉄則は「スピード&チャージ!」、どこかで聞いたことがある気がしますがまさにこれなわけです!「早く・安く」コピー商品を作って提供する、ある種とても商売の基本に忠実なのです。

そうするとどういうものが市場にコピー商品として出回るかと言いますと、流行っている商品、もしくは流行りそうな商品のコピー商品を中国などで安く作って、すぐに市場に投入して売り抜けるということをするわけです。

そうすると・・・もう察しのいい方はおわかりですね?「似ているモノ」ではなく、形状がほぼ「同じモノ」が市場に出てくることが多いわけです!やった!意匠権を使いやすい!

そんなわけでぜひ「意匠権」もご検討ください。というお話でした。
では、「特許権」は必要ないのか?ということを次回お話しさせていただこうと思います。
それでは次回もまた見てくださいね。

プロフィール

ノースブルー国際特許事務所 代表弁理士
駒津 啓佑
[所属・役職]
ノースブルー国際特許事務所 代表弁理士
[略歴]
2000年~2001年 ネットワーク管理補助業務に従事
2003年 情報セキュリティアドミニストレータ試験合格
2004年 東京理科大学卒業
2004年~2006年 国内中規模特許事務所勤務
大手企業のIT、ネットワーク、画像処理、自動車、半導体関連特許の弁理士補助業務に従事
2006年~2012年 国内小規模特許事務所勤務
2009年 弁理士試験合格
大手企業から個人までの特許・意匠・商標の弁理士業務・補助業務に従事
2011年4月~2013年3月 日本弁理士会 知的財産価値評価推進センター
2012年~ 前所長弁理士から事務所を承継し、事務所経営
侵害事件・ライセンス交渉などを含めたコンサルティングまで業務拡充。
弁護士、税理士、会計士、コンサルタントなどの他業種専門家との提携を深める。
2013年 事務所移転より事務所名称変更。
ものづくりとブランディングについてどんな相談に対しても解決策を提示できる事務所を目指して活動中。

[バックナンバー]実例でわかる特許・意匠・商標

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