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ISO9001及びISO14001の2015年改正において、企業が取組むべきこと

ISOマネジメント研究所 所長 人見 隆之

第1回ISO9001及びISO14001の2015年改正の背景と意図

1.はじめに

ISO9001とISO14001が来年(2015年)、改正される予定です。ISO9001の改正は7年ぶり、ISO14001に至っては、実に11年ぶりの改正となります。どの程度の改正なのかについては、IAF(国際認定フォーラム)は、大きな変化だと述べています。それを受けて、現在、ISOの審査機関や研修機関などは、セミナーを開催しておりますが、どこも盛況で、企業の関心が高い様子が伺えます。そこで、今回から、4回にわたって、ISO9001及びISO14001の2015年改正において、主に中堅・中小企業が、具体的にどう取り組んだらよいのかということを考えてみたいと思います。

2.ISO取得の現状

あらためてISOとは何かというと、国際標準化機構が決めた国際的な規格のことをいいます。ISO9001は、品質マネジメントの国際規格をいい、ISO14001は、環境マネジメントの国際規格をいいます。

公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)が調べた調査によると、2014年の3月末現在で、日本国内でのISOの取得件数は、ISO9001が約4万9,000、IS14001は約2万6,000あります。実に、これだけの取得件数がありますが、傾向としては、減少傾向にあります。このような状況下において、現在、ISOに携わる関係者の関心事としまして、この2015年改正が、これを機に、ISOがさらに経営に役立つツールとして活用できると感じて減少傾向に歯止めがかかるのか、それともこれ以上の手間はかけられない、意義を見出せないと感じて減少傾向に拍車がかかるのか、とても興味深いところだといえます。

3.問題となっている背景

ISOのマネジメント規格は、ISO9001とISO14001だけでなく、それ以外に多くのマネジメント規格が存在しています。たとえば、ISO27001(情報セキュリティ)、ISO22467(事業継続)、ISO22000(食品安全)、などがあります。このように、いろいろなISO規格がありますが、実は、規格毎に構成や章立て、用語の定義が異なるということが問題視されていました。これは、企業によっては、複数のISOに取り組むところもあり、そのユーザーにとって、わかりづらいという問題がありました。また、これは、実際にISOの仕組みを運用する企業側の問題となるのですが、会社のルールとISOルールの二重基準の存在があります。たとえば、ISO9001やISO14001の仕組みが、本来ある会社のルールとは別に動いているという現状です。これはどういうことかというと、ISOを真面目に取組むと面倒だ、そうであれば、建前の仕組みとして形式的に運用しようということが一部の組織で起きているということです。この原因の一つに、ISOの認証が単に取得だけに済まされていることにあります。

4.今回の改正の意図

上記のような背景から、今回の改正の意図は大きく2つあります。まず一つ目は、各ISO規格の両立性の確立を図るということです。両立性とは何で図るかですが、附属書SLという共通テキストというもので図ります。この附属書SLは次回のコラムで説明致します。そして、二つ目は、ISOの仕組みが会社の仕組みと乖離しないことです。企業にとって、本来業務とは別の仕組みを作ることは非効率ですから、会社の仕組みとして、しっかりISOの仕組みを組み込むことです。これは、ISOを経営の有効なツールとして位置付け、ISOのあるべき論をあらためて示したことといえそうです。現状、多くの組織において、ISOが経営のツールであるという認識が薄いと感じますが、今回の2015年改正では、トップの関与を強く求め、トップは仕組みの有効性に説明責任を負わなければいけないとしています。

プロフィール

ISOマネジメント研究所 所長 人見 隆之
[所属・役職]
ISOマネジメント研究所 所長
[略歴]
中央大学法学部卒業。マーケティングリサーチ会社やIT企業などを経て、2001年9月に独立し、中堅・中小企業の経営の仕組み構築を支援するISOマネジメント研究所を設立。ISOコンサルティングサービスに特化し、製造業、印刷業、IT、介護施設、物流業など、様々な業界を支援し、支援企業は300社以上。気軽に、気安く、わかりやすくをモットーに、約8割の企業が継続契約している。
[著書・訳書など]
『「自分から教わる!」技術』日本実業出版社
『納税通信』エヌピー通信社:コラム掲載
[URL]
ISOマネジメント研究所

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