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中学生で起業した20代IT経営者が明かす
中堅・中小企業が抑えておきたいウェブの「今」

合資会社サクラシティ 代表 小島猛稔

第3回ソーシャルメディアを改めて見直してみよう

1.ソーシャルメディアとは

一般的にソーシャルメディアとはFacebookやTwitterをはじめとするSNSを指すことが多いのですが、厳密にはソーシャルメディアのひとつとしてSNSがあります。SNSは狭義のソーシャルメディアなのです。

ソーシャルメディアとは「ユーザー同士が双方向の交流を図ることができるメディア」の総称ですが、本文中のソーシャルメディアについてはFacebookやTwitter などのSNSをイメージしてください。狭義のソーシャルメディアについて話を進めていきます。

2.ソーシャルメディアが果たすべき役割とは

ソーシャルメディアのプロモーション利用が叫ばれてきましたが、成功する企業となかなかうまくいかない企業との差が出てきています。
とりあえずソーシャルメディアを始めてはみたものの、どのように活用すれば良いのか分からずに挫折してしまうケースがとりわけ目立っているのです。
その背景を探ると、ソーシャルメディアの役割を理解しないままなんとなく運用しているうちに、いつの間にか更新が滞ってしまうようです。

ソーシャルメディアには役割があります。その役割をきちんと把握した上で利用しなければ、目に見える成果を生み出すことは難しいでしょう。
役割と目的をはっきりさせ、その目的を実現させるためにソーシャルメディアを活用するという視点を持つことが重要です。

今回はソーシャルメディアの役割を再認識していただくために、中小企業のIT経営戦略におけるソーシャルメディアの位置づけについてお話したいと思います。

3.ソーシャルメディアは商品を売るメディアではありません

多くの方が勘違いしていることがあります。それは、ソーシャルメディアを使って自社の商品を売ろうと考えてしまっていることです。
ソーシャルメディアはそもそも、ビジネスを展開するためのメディアではありません。プライベートでソーシャルメディアを利用している人であれば、その感覚をすぐに理解できるはずです。例えば、友人の食事についての感想や旅行写真、さらには仕事のことなど、より私的な投稿が目立っていることがわかるでしょう。ソーシャルメディアは他人の日記のようなものです。そのような投稿の中に、関心のない商品に関する宣伝があなたの友達やフォローユーザーから投稿されたらどのように感じるでしょうか。

プライベート空間に投げ込まれるビジネスの話に反感を覚えるユーザーは少なくありません。企業広告だということがわかれば、ユーザーも「広告」という意識を持ってその記事に接するので、それほどの抵抗はないかもしれません。現に、ソーシャルメディア上には多くの広告が掲載されています。しかしながら、ソーシャルメディア上の友達やフォローユーザーが特定の商品を売り込む記事を投稿したらどうでしょうか。どこか場違いな雰囲気を感じないでしょうか。
ソーシャルメディアとはプライベートな空間を作るためのメディアであり、ビジネス色が強すぎる投稿にはそぐわないのです。

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4.ユーザーに好感を持ってもらう

商品や会社の宣伝が投稿できないのであれば、企業がソーシャルメディアを利用する意味はないと考えるかもしれません。どうしてソーシャルメディアのプロモーション利用が声高に言われているのでしょうか。
この疑問に対しては、ソーシャルメディアの本来的な役割から答えを導くことができます。さきほど、ソーシャルメディアはプライベートな空間を作るためのメディアだと述べました。まさにこれが答えとなるのです。

ソーシャルメディアはビジネスを行うメディアではなく、あくまでもユーザーとの関係性を作り上げていくメディアなのです。したがって、ソーシャルメディア経由の売り上げをソーシャルメディアの評価指標にしてはいけません。見込み顧客や既存顧客とのつながりを作ったり維持するためのメディアだということを強く認識するようにしてください。

具体的には、これまでの会社の歩みなどをストーリー仕立てにして投稿したり、普段は見ることのできない自社工場の裏側等を紹介しても良いでしょう。少なくとも、商品の直接的な宣伝は避けるべきです。ユーザーが楽しめる投稿を心掛けてください。

そのような投稿を見たユーザーは、あなたの会社に対して好感を持ちます。この好感こそが関係性の源泉になるわけです。有り体に言ってしまえば、あなたの会社のことを好きになってもらうためのメディア、それがソーシャルメディアなのです。そのことがめぐりめぐって会社の知名度を上げ、結果的に売上に貢献することとなるのです。

最後に、代表的なソーシャルメディアであるFacebookをうまく使った成功例をご紹介します。京都祇園のとある老舗天ぷら料理店では、天ぷらや食材に関する豆知識を写真に添え、ユーザーが読んで役立つ情報を提供することで自社の宣伝っぽさを消しています。シズル感あふれる料理写真だけでなく、美しい着物などの投稿もあり、次回の投稿が楽しみになるような工夫がされています。宣伝色を感じないにも関わらず、すべての投稿がお店への関心を引きよせるのです。それぞれの記事はなんと、3000以上の「いいね!」を集めていることも特筆すべきでしょう。

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あなたの会社は、ソーシャルメディアで商品を売ろうとしてはいないでしょうか。今一度、ソーシャルメディアの使い方を見直してみてください。

プロフィール

合資会社サクラシティ 代表 小島猛稔
[所属・役職]
合資会社サクラシティ 代表
技術経営修士(MOT:Management of Technology)
[略歴]
1985年11月、東京都(北千住)生まれ。2010年芝浦工業大学大学院工学マネジメント研究科修士課程修了。父親の影響を受け幼い頃よりパソコンに夢中になる。とりわけインターネット黎明期だった時代にICQやBBS、チャットに触れたことで、インターネットがもつコミュニケーションの可能性に魅せられる。1998年、中学校入学と同時期にインターネットを使った現在でいうSOHOやノマドのような活動を開始。2003年、高校在学中に合資会社サクラシティ設立。代表に就任。以降、大学院修了まで学生起業家として活動。現在は「知りたいを満たす」を経営理念とした、インターネット黎明期よりインターネットを活用したビジネスで培ってきたIT経営戦略コンサルティングを実施。中堅・中小企業事業者の実情を理解し、大規模プロジェクトへの従事経験を経た独自メソッドで事業規模問わずITを本気で取り組む経営者より絶大な信頼を得ている。
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合資会社サクラシティ

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